脳卒中入院 diary

脳卒中で入院していたときに思ったことなどを書いてみました

2020-01-01から1年間の記事一覧

不自由なひとり旅 12

不自由なひとり旅の三日目の朝。宮城県の鬼首温泉のペンションにいた私は予期せぬハプニングにあっていた。まったく想像もしていなかった季節外れの大雪だ。20年以上、ここでペンションをやっているご主人も、この時期のこんな大雪は記憶にないという。私…

不自由なひとり旅 11

不自由なひとり旅の二日目の夕方、宮城県の鬼首温泉のペンションに到着した。部屋は二階で、エレベーターなどはないのでペンションのご主人の手をかりて部屋までいった。エレベーターとかバリヤフリーを求めるならホテルのほうがいいかもしれないが、人の優…

不自由なひとり旅 10

酒田市のホテルで目を覚ました。起き上がって服を着る。脳卒中の後遺症で右手と右足が不自由なので服を着るのも一苦労だが、着たり脱いだりが一人でやりやすい服を選んでいるし、だいぶ慣れてきたのですこしは早く着られるようになってきていた。 ホテルの朝…

不自由なひとり旅 9

車で不自由なひとり旅に出かけた私は秋田県にかほ市のコンビニにいた。遅めの昼食のサンドイッチと、今日の夜にホテルで飲むため秋田の地酒の小さい瓶を買った。おつまみと弁当も調達。コンビニの駐車場に止めた車の中でサンドイッチを食べながら時計を見た…

不自由なひとり旅 9

脳卒中で体が不自由になっちゃった私。それでもひとり旅がしてみたいと計画していよいよ出発の日。昨年の4月中旬、天気の良い日だった。朝10時ごろ私の住んでいる青森市から最初の目的地に設定した山形県酒田市に向かって車で出発。東北自動車道の青森イ…

不自由なひとり旅 8

新型コロナウイルス騒ぎでとてもじゃないけどひとり旅のブログなんか書いてる場合じゃない、自粛しよう、と思ったんだけれど書いた方がいいというメッセージをいくつもいただいた。うれしいので自粛やめます。実際に旅をしたのは今から一年くらい前のことで…

不自由なひとり旅 7

脳卒中で倒れて救急車で運ばれたとき、今後は車椅子での生活になる可能性がありますと言われた。そのときは、命が助かっただけラッキーだったのだから車椅子でもいいかと思えた。リハビリですこし立てるようになったら、やっぱり車椅子より自分の足で歩きた…

不自由なひとり旅 6

脳卒中の後遺症の右半麻痺があっても車を運転したい。そうすれば自分で自由に好きなところへ行ける。免許はなんとか出来たし、身障者用に改造した車ももうすこしで納車というところまできた。納車を待つ間にもうひとつやることがある。それは、市役所から補…

不自由なひとり旅 5

脳卒中の後遺症で右半麻痺。そんな不自由な体だけど左アクセル限定の運転免許はゲットできた。次は車をなんとかしよう。脳卒中になる前に乗っていた車は、長い間運転できないのに持っていると駐車場の賃貸で出費がかさむし車検もくるし、と考えて手放してい…

不自由なひとり旅 4

脳卒中の後遺症で右半麻痺の体。それでも車に乗りたいと思い、身障者用の運転免許運転をゲットしようと動き始めた。下調べから書類を揃えるなど約一ヶ月かかって実技試験までたどりついた。住居地の運転免許センターに午後1時にいくと、女性の職員が車椅子…

不自由なひとり旅 3

脳卒中の後遺症で右半麻痺の体でもなんとか車に乗りたい。まずは運転免許から。ということで運転免許センターに申し込みにきた私は二階の部屋で担当者を待っていた。まもなく、もうすぐ定年?と思われるおじさんが入ってきた。申し込み用紙一式の入った用紙…

不自由なひとり旅 2

脳卒中の後遺症の右半麻痺の体で一人暮らしを始めて約一年が経っていた。不自由な体での生活は不便なことが山ほどあったがなんとか克服しながら一年も経つとそんな生活にも慣れてきた。だいたいの事が出来る自信がつくと次のやりたい事を考えるようになって…

不自由なひとり旅 1

ある日突然、脳出血で倒れ、それから半年間入院。(くわしくは「脳卒中になっちゃった」をよんでね)その後、右側の半麻痺というおおきな障害を負って退院した。右側半麻痺の状態は、利き腕の右手はほとんど動かすことが出来ず、足の方は杖をつかってゆっく…

脳卒中になっちゃった 10

退院まで一ヶ月を切った頃、この病院では自宅に行き退院後に危険な箇所はないかなどをみてくれる家庭訪問をしてくれる。病院てそんなこともしてくれるんですね、知らなかった。私にしてみれば約半年ぶりに家に帰ることになる。私のほかに理学療法士、作業療…

脳卒中になっちゃった 9

脳卒中で入院してもう五ヶ月が過ぎようとしていた。病院の裏庭に桜が植えられているのだが、見事な満開だった。 手足のリハビリは良い意味でも悪い意味でも安定していた。成果がどんどん現れる訳ではないがほんのすこしずつゆっくりと進んでいる。入院した最…

脳卒中になっちゃった 7

脳出血でたおれてからもう三ヶ月が経とうとしていた。担当してくれているスタッフとの定期的なミーティングで、じっくりと時間をかけてリハビリをするプランが提示された。これまでの経過をみて考えられたプランだろう。すこしぐらい早く退院しても仕事の予…

脳卒中になっちゃった 6

脳出血でたおれてから二ヶ月がたった。KR病院に入院していた私はリハビリテーション病棟に移された。担当してくれるスタッフもすべて変わった。新鮮な気持ちでリハビリ再スタートという気持ちだった。担当の看護師さん、理学療法士さん、作業療法士さん、言…

脳卒中になっちゃった 5

転院したKR病院でも検査と点滴による治療、そして軽いリハビリがおこなわれた。検査が終わって病室にもどるときに廊下で幼なじみに会った。偶然、同じ時期同じ病院に入院していた。小学校の時は毎日一緒に遊んでいた仲良しだった。病院内に話し相手ができて…

脳卒中になっちゃった 4

年が明けお正月もすぎた。私が脳出血で倒れてからは二週間がたち、集中治療室から一般の病室に移された。この頃の私の症状は、右腕はあいかわらず腕の存在すら解らない。自由の利く左手で右手を持ってみると、だらんとして、どうにでもなる感じ。おもしろが…

脳卒中になっちゃった 3

脳出血から1日が経った朝、(病名を脳出血と書いたり、タイトルでは脳卒中と書いたりしているが正式な病名は脳出血。脳出血と脳梗塞をあわせて脳卒中というのは俗称なんだって。これも後から聞いて知った)看護師さんに起こされた。自分の名前と生年月日言…

脳卒中になっちゃった 2

私はギリギリのところで命が助かり、救急車で県立病院に運ばれていた。そこの処置室で意識がもどった。そのときは助かってよかったという気持ちも、不安や恐れもなかったような気がする。いろいろな検査や治療がつぎつぎとなされていくが、なすがままだった…

脳卒中になっちゃった 1

まだ平成だったときのクリスマスイブの前日。日曜日。マンションで一人暮らしの私はちょっと遅く起きて朝食をとり、メールをチェックしたあと、部屋にある自転車型のマシンでトレーニングをはじめた。私は市民ランナーとして42.195キロにもなんどか完走して…